急な訃報を受け、お世話になった先輩のために香典を用意する、あなたの真摯な気持ちはとても尊いものです。しかし、「書き方は?金額は?」と、分からないことだらけで不安ですよね。ご安心ください。この記事では、【もう迷わない!香典の書き方『完コピ』チェックリスト】をご用意しました。このリスト通りに準備すれば、社会人として誰に見られても恥ずかしくない、完璧な香典を用意できます。今すぐその不安を自信に変えましょう。
この記事の監修者
山田 信介 (Yamada Shinsuke) / 一級葬祭ディレクター(厚生労働省認定)
葬儀業界歴20年。これまで2,000件以上の葬儀を担当し、数多くのご遺族と参列者に寄り添ってきました。若手社員向けのマナー研修講師の経験も豊富です。「誰でも最初は分からないものです」というスタンスで、不安な気持ちに寄り添いながら、故人を悼む心を正しく伝えるための作法を分かりやすく解説します。
はじめに:香典準備で、あなたの「弔う心」が試される
一級葬祭ディレクターの山田です。急な訃報に接し、香典の準備で戸惑うお気持ち、お察しいたします。特に社会人として初めての経験であれば、不安に思うのは当然のことです。大丈夫ですよ。
私がマナー研修で必ず受ける質問の一つに、「相手の宗教が分からないのですが、どう書けばいいですか?」というものがあります。この質問の裏には、「自分の無知で相手を不快にさせたくない」という、非常に誠実な気持ちが隠れています。
香典のマナーとは、決して堅苦しいだけのルールではありません。香典のマナーとは、故人を悼み、悲しみのなかにいるご遺族を思いやる、あなたのその優しい気持ちをきちんと形にしてお伝えするための大切な作法なのです。一つ一つの手順に込められた意味を理解すれば、自信を持って先輩をお見送りできるはずです。私がしっかりサポートします。
【完コピ】これさえ見れば完璧!香典準備チェックリスト
時間がない中でも、これさえ見れば絶対に失敗しない「完コピ」用のチェックリストです。まずは全体像を掴んで、安心してください。やるべきことは、大きく分けて4つのステップだけです。
【図解】チェックリストに沿って実践!4ステップ完全解説
チェックリストで全体像を掴んだら、次は各ステップを具体的に見ていきましょう。写真や図解を参考に、一つ一つ真似(コピー)するだけで、完璧な香典が完成します。
ステップ1:準備するもの
まず、コンビニや文具店で以下の2点を購入してください。
- 香典袋: 白黒または双銀の水引(みずひき)が結ばれているものを選びます。蓮の花が描かれているものは仏式専用なので、宗教が分からない場合は避けましょう。
- 薄墨(うすずみ)の筆ペン: 香典袋に文字を書く際は、「薄墨」という筆記具を用いるのが正式な作法です。ボールペンや万年筆は絶対に使わないでください。名前や金額など、香典袋に書くすべての文字は薄墨で書くのがマナーです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: もし手元に新札しかない場合は、必ず一度、真ん中でくっきりと折り目を付けてから香典袋に入れてください。
なぜなら、新札をそのまま包むことは「不幸を予期して、あらかじめ準備していた」という意味に捉えられかねず、ご遺族に対して大変失礼にあたるからです。このひと手間が、あなたの深い弔意を示すことにつながります。
ステップ2:外袋(うわぶくろ)の書き方
外袋には「表書き」と「自分の名前」を書きます。
- 表書き(上段): 水引の上中央に「御霊前(ごれいぜん)」と書きます。宗教が不明な場合は、まず「御霊前」を選んでください。なぜなら、四十九日を過ぎると使われる「御仏前(ごぶつぜん)」は浄土真宗など特定のケースで使われる言葉であり、「御霊前」の方がより多くの場面で失礼にあたらないからです。
- 名前(下段): 水引の下中央に、表書きより少しだけ小さい文字で、あなたのフルネームを書きます。
ステップ3:中袋(なかぶくろ)の書き方
中袋には「金額」と「あなたの連絡先」を書きます。
- 金額(表面): 表面の中央に、包んだ金額を漢数字で書きます。この際、数字の改ざんを防ぐため、画数の多い旧字体を用いるのが最も丁寧な表記ルールです。
- 住所・氏名(裏面): 裏面の右下に、あなたの住所と氏名を書きます。これは、ご遺族が後日、香典返しなどを準備する際に必要な情報となります。
香典金額と旧字体漢数字の対応表
| 包む金額(算用数字) | 中袋に書く金額(旧字体) |
|---|---|
| 3,000円 | 金参阡圓 |
| 5,000円 | 金伍阡圓 |
| 10,000円 | 金壱萬圓 |
(ここに、実際に「金伍阡圓」と住所氏名が書かれた中袋の写真が入ります)
ステップ4:お金の入れ方
お金を入れる際にも、故人への配慮を示す大切なマナーがあります。
- お札の向き: お札の顔である肖像画が、中袋の裏側(下側)を向くように入れます。「顔を伏せる」ことで、お悔やみの気持ちを表します。複数枚入れる場合は、すべてのお札の向きを揃えてください。
よくある質問と、一歩進んだ心遣い
Q. 部署の同僚と連名で出す場合は?
A. 3名までの連名であれば、外袋の名前を書く部分に、右から目上の人の順でフルネームを並べて書きます。4名以上になる場合は、外袋には「〇〇部一同」と書き、全員の氏名と金額を記入した紙を中袋に同封するのがスマートです。
Q. どうやって渡せばいいですか?(袱紗の使い方)
A. 香典袋をそのままカバンやポケットから出すのはマナー違反です。袱紗(ふくさ)という布に包んで持参しましょう。弔事用の袱紗は、紺や深緑、紫などの寒色系のものを選びます。受付で袱紗から香典袋を取り出し、相手から見て正面になるように向きを変えて、「この度はご愁傷様でございます」と一言添えて両手で渡します。
まとめ:さあ、あなただけのガーベラを咲かせましょう!
香典の準備で最も大切なのは、故人とご遺族を思う気持ちです。その気持ちを正しく伝えるために、以下の4つの基本を、このチェックリストで再確認してください。
- 表書きは「御霊前」
- 筆記具は「薄墨」
- 金額は「旧字体」
- お札は「新札を避け、顔を伏せる」
これで準備は万全です。あなたはもう、マナーを知らない社会人ではありません。自信を持って、先輩へのお悔やみの気持ちをお伝えしてきてください。
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👉 【通夜・告別式】恥をかかない服装と持ち物、当日の流れ完全ガイド
参考文献リスト
- 香典について|葬儀・お葬式なら【全葬連】 – 全日本葬祭業協同組合連合会
- 香典の表書きの書き方とマナー|葬儀・お葬式は【公益社】 – 株式会社公益社
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