「来年の社員旅行、幹事よろしく」。突然の大役に、期待よりも「何から始めれば…」という不安でいっぱいになっていませんか?ご安心ください。その悩み、初めて幹事を任された人の9割が同じ道を通ります!
この記事は、そんなあなたのための「失敗しない社員旅行の企画マニュアル」です。行き先ランキングを眺める前にやるべき、たった5つのステップを知るだけで、上司や先輩も納得の企画が立てられ、面倒な手配はプロに賢くお任せできます。あなたの不安を、最高の達成感に変えましょう。
[著者情報]
この記事を書いた人: 武田 誠(たけだ まこと)
法人専門トラベルコンサルタント
大手旅行代理店に15年間勤務し、これまで500社以上の社員旅行を成功に導いてきた専門家。特に初めて幹事を担当する方へのサポートを得意とし、顧客満足度部門で社内MVPを5度受賞。幹事の不安を「最高の達成感」に変えることを信条としている。
ちょっと待って!その「おすすめランキング」、見るのはまだ早い理由
初めての社員旅行幹事、大役のご指名、本当にお疲れ様です。何から手をつけていいか分からず、プレッシャーを感じていませんか?大丈夫ですよ。これまで500社以上の幹事さんをサポートしてきましたが、誰もが最初は同じ不安を抱えています。この記事では、行き先選びの前にやるべき『たった5つのステップ』を、私の経験を交えながら具体的にお教えしますね。
まず、多くの初心者の幹事さんがやってしまいがちな行動があります。それは、パソコンを開いてすぐに「社員旅行 おすすめ ランキング」と検索し、行き先を探し始めてしまうことです。その気持ちは痛いほど分かります。しかし、これが最初の、そして最大の落とし穴なのです。
なぜなら、良かれと思って幹事さんが一人で頑張って決めたユニークな企画が、結果的に「一部の人しか楽しくない旅行」になってしまったケースを、私は数え切れないほど見てきました。あなたのせいではないのです。これは、企画を進める順番を間違えただけで起こる、本当によくある失敗なのです。まずやるべきは、行き先選びではなく、全員が納得する「企画の進め方」を知ることです。
これが最短ルート!失敗しない社員旅行、企画の5ステップ
では、具体的に何から手をつければ良いのでしょうか。ここからは、私が15年間で体系化した、社員旅行を成功に導くための最短ルート「5つのステップ」をご紹介します。この手順こそが、あなたの「何から手をつければ…」という最大の疑問への答えです。

ステップ1:目的・予算の確認
まず、上司に今回の社員旅行の目的(例:慰安、チームビルディング、研修)と、一人当たりの予算を具体的に確認します。現代の社員旅行では、チームビルディングといった付加価値が、企画の質を大きく左右します。
ステップ2:社内アンケートの実施
次に、Googleフォームなどを使って簡単なアンケートを全社員に実施します。意思決定の根拠は行き先ランキングではなく、この社内アンケートの結果であるべきです。このアンケート結果が、上司や参加者に企画意図を説明する際の強力な武器になります。
ステップ3:旅行代理店への相談
アンケート結果と予算が固まったら、団体旅行専門の旅行代理店に相談します。幹事の仕事は、すべてを一人で抱え込むことではありません。専門家である旅行代理店との協業によって、幹事の業務負荷は大幅に軽減されます。
ステップ4:見積もり比較と決定
2〜3社の旅行代理店からプランの提案と見積もりを取り、比較検討します。複数の旅行代理店から見積もりを取ることは、サービスとコストを比較し、最適なパートナーを選ぶための必須プロセスです。
ステップ5:社内告知と最終準備
上司の承認を得てプランが決定したら、参加者に詳細を告知し、旅行代理店と最終的な打ち合わせを行います。
プロはこう動く!旅行代理店の賢い選び方と付き合い方
5つのステップの中でも、特に重要なのが「ステップ3:旅行代理店への相談」です。信頼できるプロをパートナーにすることが、あなたの負担を劇的に軽くしてくれます。
「旅行代理店に頼むと高くなりませんか?」とよく聞かれますが、手間や時間、トラブル対応といった「見えないコスト」を考慮すれば、プロに任せる方が圧倒的にコストパフォーマンスは高いのです。では、どう選べば良いのでしょうか。
旅行代理店の種類と特徴
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット | こんな会社におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 大手総合代理店 | JTB、HISなど。全国に支店があり実績が豊富。 | 信頼性が高い、大規模な旅行に強い、あらゆる選択肢を提案できる。 | 料金がやや割高な場合がある、担当者によっては対応が画一的。 | 参加者が100名を超える大企業、コンプライアンスを重視する企業。 |
| 団体専門代理店 | 職場旅行.comなど。社員旅行に特化している。 | 料金が比較的安い、ユニークな企画の提案力が高い、小回りが利く。 | 大手に比べると実績やネットワークで劣る場合がある。 | 参加者が100名以下の中小企業、ユニークな体験を求める企業。 |
見積もりを依頼する際は、以下の5つの情報を伝えましょう。
2. おおよその参加人数と男女比
3. 一人当たりの予算
4. 旅行の目的(慰安、チームビルディングなど)
5. アンケートで出た希望(行き先、やりたいこと)
この5点を伝えるだけで、旅行代理店は精度の高い提案をしてくれます。
これだけは押さえて!幹事が知るべきお金と安全の知識 (FAQ)
最後に、上司や経理部から必ず聞かれる、お金と安全に関する重要なポイントをQ&A形式で解説します。
Q1. 旅行費用を会社の経費(福利厚生費)にするための条件は?
A1. 社員旅行が給与ではなく、経費である福利厚生費として認められるには、国税庁が定める以下の要件を満たす必要があります。この社員旅行と福利厚生費の関係性は、幹事が必ず理解しておくべき制約条件です。
- 旅行の期間が4泊5日以内であること。(海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。)
- 旅行に参加した従業員の数が、全従業員数の50パーセント以上であること。
出典: No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行 – 国税庁
簡単に言えば、「短期間」で「半数以上が参加」することが条件です。
Q2. 旅行中の事故や病気、誰が責任を負うの?
A2. 基本的に、会社の指示で参加する社員旅行中の事故は、労働災害(労災)と認定される可能性があります。だからこそ、万一の事態に備えてくれる旅行代理店を選ぶことが重要です。旅行代理店は、旅行保険の手配だけでなく、現地での緊急連絡体制の構築など、安全管理のプロでもあります。
Q3. 最近人気のチームビルディングって具体的に何をするの?
A3. チームビルディングとは、チームの結束力を高めるための活動全般を指します。社員旅行においては、チーム対抗のスポーツ大会や、謎解きゲーム、料理体験などを企画に盛り込むことで、部署を超えたコミュニケーションが生まれ、組織の活性化に繋がります。
まとめ
初めての幹事、本当にお疲れ様です。しかし、この記事で紹介した5ステップの地図があれば、もう道に迷うことはありません。あなたの仕事は、すべてを一人で背負うことではなく、参加者の声を聞き、プロの力を借りて、最高のプロジェクトをマネジメントすることです。この経験は、必ずあなたの大きな成長に繋がります。
さあ、まずは最初のステップ、ぜひ社内アンケートの準備から始めてくださいね。


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